この場所について
このサイトでは、冬佳彰がこれまでに執筆した、また現在執筆している作品などをまとめています。
時代小説、SF、ホラー、奇妙な味など、頭の中に訪れる様々な物語を形にしています。
一つ一つの物語に込めた想いや背景を感じていただければ幸いです。
どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。
お知らせ
2026/1/6
明けましておめでとうございます。「執筆中」ページで、『同行二人』という、読み切りのSF短編を公開しました。どうぞ、お試しください。
2025/10/06
これまでリアルタイムの作品はnote上で公開していましたが、今後はこのサイトに移動します。日々書き溜めていく作品や、検討状況などもここで公開しますので、ブックマークのほど、よろしくお願いします。基本的に、毎週金曜に更新の予定です。
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着物の裾が見えた。玄次の様子を見ようと、若い男が近づいていた。
拳を固め、その脛のあたりを殴った。
男がわめいた。片方の足で跳ね、尻から転がる。
立ち上がった玄次に、もう一人が掴みかかった。
踏み込んだ。男の指が襟にかかる前に、その顔を肘で打ち上げる。
夜目に白い男の顔が、柿が潰れるように黒く染まった。
キッチンですれ違いざまに、ミロは拳で倫子の腹を殴る。よろめく倫子の黒髪をわしづかみにして壁に叩きつける。長身の倫子だが、男と細身の女だ。面白いように倫子は吹っ飛ぶ。抵抗の術はなかった。倒れたところを髪をつかまれ家じゅうを引きずり回される。人間の形をしたモップだ。顔も身体も痣だらけになる。
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道の脇に杭が三本。その各々に、海に背を向け鳥人が縛られている。捕まったときに手荒く扱われたのだろう、背中の翼にはほとんど羽根が残っていない。杭の根元の草地に白い羽毛が散り、海のほうに吹かれてゆく。
鳥人たちは裸で、薄い胸板がかすかに動いている。
クロウはできるだけ彼らを見ずに歩く。
三人ともうなだれ、目を閉じているようだ。
真ん中のひとりが片目を開いてクロウを見る。